ホームページのKPI設定方法|売上から必要な問い合わせ数を逆算する

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「ホームページのアクセスは見ているけれど、どれくらい増やせば売上につながるのか分からない」。そんなときは、アクセス数の目標を先に決めるのではなく、必要な契約数から考えることをオススメします。

実際に、毎月欲しい契約数に対して必要なアクセス数を尋ねられることがあります。広告を使う前提であれば、「その契約数を取るには、広告費をどの程度見ればよいか」という相談もあります。

こうした問いに答えるに必要なのは、ホームページ経由で目指す売上額、契約数、商談数、問い合わせ数、アクセス数の順に逆算することです。ただし、計算した数字は成果を保証するものではありません。実績と比較し、どこを改善するか判断するための目標です。

この記事で、売上から必要な問い合わせ数を求める方法と、実績が足りない場合の進め方、目標に届かないときの判断を整理していきます。

1. ホームページのKPIは、売上につながる途中の目標

KPIと最終目標の違いを整理する

KPIとは、最終的な成果に近づいているかを見るための途中の指標です。例えば、ホームページ経由の売上を最終目標にするなら、契約数、商談数、有効な問い合わせ数などがKPIの候補になります。

お客様の行動は「アクセス → 問い合わせ → 商談 → 契約 → 売上」と進みます。目標を設計するときは、その流れを反対からたどり、売上をつくるために各段階で何件必要かを考えます。

アクセスから売上へ進むお客様の行動と、売上からアクセスへ逆算する目標設計の関係

すべての会社で、この項目が必要なわけではありません。商談を挟まずに申込みが契約につながる事業もありますし、オンラインショップなら購入件数や購入金額が中心になります。自社の販売の流れに合わせて選んでください。

また、問い合わせの総数と「有効な問い合わせ数」は分けて考えます。有効な問い合わせとは、自社のサービスに合い、商談につながる可能性のある問い合わせです。例えば、対応エリアや相談内容が自社の条件に合っているかなど、社内で基準を決めます。

問い合わせが増えても、営業目的の連絡や対応できない相談ばかりなら、売上目標に近づいているとは限りません。アクセス数も同様に、数が増えたことだけで成果を判断しないようにします。

アクセス解析そのものの役割から整理したい方は、アクセス解析の基本とホームページ改善への活かし方も参考にしてください。

2. 売上から必要な問い合わせ数を逆算する

まず「ホームページ経由で目指す売上」と対象期間を決める

最初に決めるのは、会社全体の売上ではなく、ホームページ経由で担う売上です。既存顧客からの継続受注や紹介など、ほかの経路で生まれる売上とは分けて考えます。

そのうえで、月間、四半期などの対象期間を決めます。目標売上と1契約あたりの売上は、同じ考え方でそろえてください。月間売上を目標にしているのに、1契約あたりの金額に年間の売上を使うと、必要件数が実態とずれてしまいます。

問い合わせから契約まで時間がかかる場合も注意が必要です。今月の契約には、前月以前の問い合わせが含まれることがあります。そのため、今月の契約数を今月の問い合わせ数で割っても、問い合わせから契約に至る率を正しく表せるとは限りません。

可能であれば、ある期間に受けた問い合わせが、その後どれだけ商談や契約につながったかを追います。目標売上が必要な時期から、問い合わせを獲得すべき時期を考えることも必要です。

契約数・商談数・問い合わせ数の順に計算する

逆算の基本式は、次のとおりです。率は、50%なら0.5、20%なら0.2として計算します。

  • 必要契約数 = 目標売上 ÷ 1契約あたりの売上
  • 必要商談数 = 必要契約数 ÷ 商談からの成約率
  • 必要な有効問い合わせ数 = 必要商談数 ÷ 有効問い合わせからの商談化率

成約率は、商談のうち契約に至った割合です。商談化率は、有効な問い合わせのうち商談に進んだ割合を指します。必要件数の端数は切り上げます。

例えば、計算方法を説明するために、次の条件を仮定します。これは実績や業界相場ではありません。

項目 仮の条件
ホームページ経由で目指す売上 月間300万円
1契約あたりの売上 50万円
商談からの成約率 25%
有効問い合わせからの商談化率 50%

この条件なら、必要契約数は「300万円 ÷ 50万円」で6件です。必要商談数は「6件 ÷ 0.25」で24件、必要な有効問い合わせ数は「24件 ÷ 0.5」で48件になります。

仮の月間売上300万円から6契約、24商談、48件の有効問い合わせを逆算する計算例

つまり、この仮定では月間48件の有効な問い合わせが目標の目安です。ただし、問い合わせから契約まで時間がかかる場合、48件をその月に獲得すれば同じ月に売上が立つという意味ではありません。

商談を挟まない事業なら、「必要契約数 ÷ 有効問い合わせから契約に至る率」で求められます。段階を増やすことより、自社の実態に合う計算にすることを優先してください。

商品やサービスによって契約金額が大きく異なる場合は、主なサービスごとに分ける方法もあります。平均金額だけで計算すると、実際には少数の高額契約に左右される目標になっていることがあるためです。

3. 必要なアクセス数は、問い合わせ率から考える

必要な有効問い合わせ数が決まったら、アクセス数に置き換えます。

  • 必要アクセス数 = 必要な有効問い合わせ数 ÷ アクセスから有効な問い合わせに至る率

ここで、アクセス数として何を数えるかを決めてください。例えば、訪問回数を表す「セッション数」を使うなら、問い合わせ率も「有効問い合わせ数 ÷ セッション数」で計算します。ページが表示された回数と訪問回数を混ぜて使うと、比較ができなくなります。

前の仮の例で、有効な問い合わせ率を1%と仮定するなら、必要な訪問回数は「48件 ÷ 0.01」で4,800回です。2%なら2,400回になります。この率も、実績や相場ではなく計算を説明するための仮定です。

同じ問い合わせ目標でも、問い合わせに至る率によって必要なアクセス数は変わります。計算結果が現在のアクセス数とかけ離れている場合は、集客を増やす方法だけでなく、問い合わせ率を改善する方法も検討します。

ただし、現在の率が今後も続くとは限りません。広告を始めたり、集客する相手を変えたりすれば、問い合わせの数や内容も変わる可能性があります。必要アクセス数は、置いた条件に基づく目安として扱ってください。

また、この計算だけでは必要な広告費までは分かりません。広告でどの程度の訪問を補うのか、その獲得にどの程度の費用がかかるのかという別の前提が必要です。アクセス目標と広告予算は、同じものではありません。

4. 実績がないときは、仮の目標と計測から始める

成約率や問い合わせ率が分からなければ、実績に基づく逆算はできません。その場合は、根拠のない数字で目標を確定するのではなく、まず何が記録できていて、何が分からないのかを整理します。

記録する項目 整理する内容
アクセス 訪問回数など、数え方と対象期間
問い合わせ 件数、受付日、ホームページ経由かどうか
有効な問い合わせ 自社で決めた基準に合うか
商談 どの問い合わせが商談に進んだか
契約 どの商談が契約につながったか、契約金額

サイトの解析ツールだけでは、商談や契約まで分からないことがあります。問い合わせの受付記録と営業側の記録をつなげて確認してください。フォーム送信だけでなく、電話など別の受付経路も整理しておくと、集計の抜けを減らせます。

実績がたまるまで仮の率を置く場合は、仮定であることを社内でも明確にします。一つの率だけで計画を固めず、率が低い場合と高い場合で必要件数がどれくらい変わるかを見ると、目標の前提を把握しやすくなります。

少数の問い合わせから計算した率は、1件の増減でも大きく変わります。短期間の数字だけで目標を何度も変えるのではなく、件数と期間、契約までの時間を併せて確認します。

問い合わせがゼロの場合は、率がゼロになるため、その率で必要アクセス数を計算することはできません。まず、問い合わせが正しく記録されているか、フォームが使えるか、サービス案内から申込みへ進めるかを確認します。過去に反応がないことだけで、今後も成果が出ないと決めつける必要はありません。

5. 目標に届かないときは、アクセス不足と途中の離脱を分けて考える

各段階の率を見て、改善候補を絞る

目標との差が分かったら、「アクセスを増やせばよい」とすぐに結論づけず、どの段階で次へ進みにくくなっているかを見ます。私は、サービスページや資料請求ページへの移動、申込み完了までの流れ、営業成約率などを確認し、どこから改善するのが費用対効果の面でよいかを考えています。

例えば、次のように改善候補を分けられます。

数字に表れている状況 次に確認すること
訪問はあるがサービス案内があまり見られていない 案内へのリンクや、訪問者の目的と入口ページの内容
サービス案内は見られているが申込みが少ない 対象者、提供内容、費用や条件の説明、申込みへの案内
フォームへ進むが完了が少ない 入力項目、エラー、スマートフォンでの使いやすさ
問い合わせはあるが商談が少ない 問い合わせ内容の適合性、受付後の対応
商談はあるが契約が少ない 提案内容、条件、見送り理由など営業側の記録

これらは原因を確定する表ではなく、次に確認する場所を絞るためのものです。率が低いという数字だけでは、説明不足なのか、対象者が違うのか、操作上の問題なのかまでは分かりません。

ページ内容や実際の操作、問い合わせ内容と併せて判断します。そのうえで、改善に必要な費用や手間、影響する範囲を比べ、取り組む順番を決めます。

具体的な施策へ落とし込む進め方は、数字から改善策を決める5つの手順で整理しています。目標設定の次に、改善候補を選ぶ際の参考にしてください。

集客を増やす前の改善が有効だった事例

実際の支援では、アクセス数やLPよりも、カートのフォーム改善によって獲得単価を改善できた経験があります。LPは商品やサービスの案内、申込みを目的とするページです。獲得単価は、申込みなど1件の成果を得るためにかかった費用を指します。

また、アクセスはあるものの申込みが少なかったサイトで、サービス案内ページを強化することで問い合わせを増やせた経験もあります。

これらの経験から、私は集客量だけでなく、訪問後に必要な情報が伝わり、申込みまで進める状態かを確認するようにしています。ただし、どのサイトでも同じ箇所を直せば同じ結果になる、という意味ではありません。

コンバージョンとは、申込みなど、サイト上で目指す行動が完了することです。この完了がない状態で、広告だけに頼って反応数を増やそうとすることは勧めません。計測や申込みの流れを確認しないまま訪問だけを増やしても、売上につながるかを判断しにくいためです。

6. 自社で決めることと、運用支援に相談すること

KPI設定に必要な情報のうち、事業の方針や営業実績に関わる部分は、自社で整理する必要があります。まずは、次の項目をそろえてください。

  • ホームページ経由で目指す売上と対象期間
  • 1契約あたりの売上と、その計算に含める範囲
  • 有効な問い合わせの基準
  • 問い合わせ、商談、契約の実績
  • 問い合わせから契約までにかかる期間

一方で、問い合わせが計測できていない、サイトの数字と営業実績がつながらない、改善の優先順位を決められない場合は、運用支援への相談を検討できます。

相談する際は、レポートを受け取るだけなのか、目標の整理や計測、改善案の検討まで含めて依頼したいのかを明確にすると、必要な支援を選びやすくなります。アクセス解析を依頼する際の支援範囲・費用・選び方も、自社対応と外部支援を分ける際の参考になります。

最初からリニューアルや広告の追加を前提にする必要はありません。現在のサイトを活かし、サービス案内やフォームなどの部分改善で対応できないかも検討します。

ホームページのKPI設定は、「目的を決める → 実績で逆算する → 未計測を補う → 改善して目標を見直す」という流れです。まずは売上、契約、問い合わせを一つの流れとして整理し、どの数字が分かっているかを書き出してみてください。アクセス数の目標は、その後に決めることで、事業の成果とのつながりが見えやすくなります。

「自社の場合、どの数字から整理すればよいか分からない」という方は、ホームページの運用についてご相談ください。現在分かっている数字やお困りの点をもとに、目標の整理や改善の優先順位を一緒に考えます。

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