【採用基準の決め方】基準設定のポイントを5つのステップで詳しく解説! - ラディカルサポートブログ

【採用基準の決め方】基準設定のポイントを5つのステップで詳しく解説!

あなたは採用基準をしっかり定めてから採用活動に臨んでいますか? もしそうでないなら注意が必要です。

採用した人材が「すぐに辞めてしまう」「経営に貢献してもらえない」など、あなたの望まない結果を招いてしまう恐れがあるからです。

自社に最適な採用基準の決め方が分からない場合はこの記事をぜひお読みください。採用基準を決めるうえでの重要なポイントをおさえて、「自社にあった採用基準」を作り上げてしまいましょう。

少々長い記事になりますので、ブックマークなどをして、いつでも見返せるようにしておいていただければと思います。

目次

採用活動において採用基準が重要な3つの理由

採用基準を定めるプロセスは、採用活動の「入口の部分」にあたります。そのため、スタートを間違ってしまうと、正しいゴールにはたどりつけません。ゆえに、採用基準を定めるプロセスは「採用の柱」であるという認識が必要です。

この章では、採用基準の重要性を以下の3つの理由をもとに紹介します。

  1. 離職率が下がるため
  2. 現場で求めている人材のズレをなくすため
  3. 主観をできるだけ排除するため

1. 離職率が下がるため  

採用基準が曖昧だと離職率が上がります。主な要因は以下の2点です。

上記の内容について詳しく解説します。

スキル不足の場合、与えられた業務がこなせず、達成感も得られないことからストレスが溜まる傾向にあります。また、周りにも迷惑をかけているのではないだろうか?という後ろめたい気持ちが起きることも例外ではありません。これらの結果から、スキル不足は離職につながる可能性が高まります。

オーバースペックの場合は、「仕事ができることで起こりうる不具合」が懸念されるのです。例えば、与えられた業務が簡単すぎて手持ち無沙汰になってしまいます。さらには、スキルに見合った報酬が得られない場合、「お金に対する不満」も増加してしまうでしょう。これらが原因となり、結果的に転職されてしまうのです。

人材を採用するためには多くのコストと時間を要します。よって、収益をあげるためには、上記のような離職につながる事態を避けなければいけません。そのためには「採用基準を明確にする」ことが必要不可欠です。採用基準を明確にしてミスマッチの防止・離職率を下げることにつなげましょう。

2. 現場で求めている人材のズレをなくすため

採用の目的は「求める人材の確保」です。しかし、実際に人材を求めている現場と人事や経営幹部に温度差がある場合、採用する人材に『ズレ』が生じてしまいます。

例えば、「現場の事情を細部まで把握していない方」のみで採用を行う場合です。審査基準が現場とは異なるため、結果的に「現場が求めている人材ではない方」を採用してしまう事態が起きてしまいます。

例えばこのようなケースです。

現場ではスキルよりも協調性やコミュニケーション能力が高い人材を求めていました。しかし、実際に採用された人材は正反対の性格。その結果、うまく関係を保つことができず、職場の雰囲気も悪くなり、生産性も落ちました。

これには、以下のようなことが原因として考えられます。

では、なぜこのような人材が採用されたのでしょうか。

それは、「求める人材の不一致」が起きていたからです。スキルや資格を重視していた場合、人事や経営幹部には「優秀な人材」に見えていたのかもしれません。しかし、現場の評価は違います。現場が重視していたのはスキルよりも人間性だったのです。

これらの「人材のズレ」を防ぐためには、現場からのヒアリングや現場を知っている人材が面接などに参加することが重要といえます。

3. 主観をできるだけ排除するため

面接などの場で、主観(その人ひとりの見方)で判断するとズレが生じます。なぜなら主観で物事を見てしまうと、自分の考え・経験・好みなどが採用の基準に含まれてしまうからです。

例えば採用基準がないと、面接官が二人いた場合、全く違う評価をしてしまう可能性があります。どちらが正しい審査を行っているのかも分かりません。そこで、採用基準を定めると、以下の効果が得られます。

これらを行うためには、採用基準を定めることが不可欠です。では、採用基準はどのように定めればよいのでしょうか?次の章でステップを解説いたします。

採用基準の設定ステップ

この章では、採用基準を定めるにあたって必要な項目を「5つのステップ」に分けて詳しく紹介します。

採用基準を定める際には、人材を見極めるために必要な項目を細分化して、それぞれのステップの要点を理解することが重要です。

「採用基準を決めたいけど分からない」という方は、以下のステップの内容を理解してポイントを掴んでください。

ステップ項目狙い
1会社の経営方針や事業計画を把握する採用する目的を明確にする
2現場を含めた社内からヒアリングする求める人材を明確にする
3求める人物像を明確にするミスマッチを防止する
4モデル社員から人物像を明確にする求める人材をさらに具体的にする
5評価項目を決める審査や採用基準のズレをなくす

ステップ1:会社の経営方針や事業計画を把握する

あなたは自社の経営方針を聞かれてすぐに答えることができますか。

経営方針は、経営理念を実現するために行う「事業の方針・方向性・目的」などを示す重要なものです。

そのため、採用基準を決める場合、まずは自社の経営方針や事業計画を把握(再確認)することから行います。理由は「採用する目的を明確にする」ためです。これから行う事業計画に対してどのようなスキルを持った人材が必要なのかが見えないと、求める人材が見えてきません。

なんとなく採用しても計画を遂行することができず、効果が得られない結果になってしまいます。これらのズレをなくすためには、採用側もしっかり経営方針や事業計画を理解した上で採用活動を行うことが大前提です。

もしも、経営方針を把握せずに採用を行った場合には、経営方針にミスマッチした人材を採用してしまい、以下のような悪い事態が起きてしまうことも想定されます。

経営方針求める人材ミスマッチな採用起こりうる悪い事態
お客様を第一に考えます他人を思いやり、敬意を払える人柄・思いやりがない

・敬意が払えない

・感情を抑えきれない
取引先のお客様に対して失礼な言動や行動、怒りの感情を出してしまう
社会から信頼を持っていただける企業を目指します社員の一員として私生活でも行動・言動に注意が払える・自社の社員としての自覚がない

・貢献などには興味がない
休日に私的なことでトラブルを起こしてしまい、会社にも迷惑を掛かってしまう(会社の信頼性を失う)
常に企業の成長を目指して前向きに取り組みます向上心をもって取り組む姿勢がある・向上心がない

・言われたことだけを行う
業務改善や工夫を行わないので、生産性があがらない
従業員の健康と幸せを大切にします信頼される人格の持ち主

部下に対する言動・行動に配慮ができる
・完璧主義

・全て自分が正しいと思ってしまう性格
自分のスキルは高いが、全ての人を同じ目線で見てしまい、要求が過度になる

・パワハラを起こす

上記の内容は、あくまで例として挙げたものです。

このように、経営方針を把握していないと、求める人材が明確にならないためミスマッチを起こしてしまい、不測の事態につながる可能性があります。これらの事態を未然に防ぐためには、経営方針や事業計画をしっかりと把握して採用を行うことが重要です。

ステップ2:現場を含めた社内からヒアリングする

採用基準が曖昧だと採用のミスマッチが起きてしまい、結果的に現場からクレームが入ります。そこで重要なのが、「現場からのヒアリング」です。

現場が求めているスキルや人柄などを明らかにすることで、求めている人材を知ることができます。求める人材を確保できると現場の雰囲気も明るくなり、コミュニケーションも良好になるので、経営にも効果があり、双方にとって良い結果になるでしょう。

ヒアリングシートの活用

とはいえ、忙しく作業している現場の方に協力を依頼することをためらってしまう方は多いのではないでしょうか。そこで、時間の合間をみて協力をしてもらう手段として『ヒアリングシート』を活用することをおすすめします。

ヒアリングシートは、求めるスキルやレベルを項目ごとに分けて『見える化』を目的としたシートです。

自社で独自のヒアリングシートを作成するのが大変という方は、経済産業省が提案する『社会人基礎力』をベースに、株式会社マイナビが作成した『ヒアリングシート』が無料で利用できるので、試してみると良いでしょう。

ステップ3:求める人物像を明確にする

求める人物像を明確に出来ていないと、ミスマッチの可能性が高くなります。繰り返しになりますが、採用の狙いは目的に合った人材を獲得することです。例えば、事業計画の成功がゴールなら、ゴールするために必要なスキルを持った人材の確保。現場の強化なら現場が求める人材の確保になります。

以上のような要素に分けて人材を明確にすることで、ミスマッチを防ぐことが期待できます。

ステップ4:モデル社員から人物像を明確にする

求める人物像が明確にならない場合は、一緒に働いている社員の中からモデルとなる候補者を厳選すると良いでしょう。なぜなら、『モデル社員』は自社が求める人材の条件をクリアーしているからです。社風にも馴染んでいて、求める仕事をこなせる高い人格の持ち主です。将来は自社の中核となるコア人材といえます。

モデル社員が評価されている理由を分析して採用基準に反映することで、モデル社員に近い人材を獲得できる可能性が一気に高まるでしょう。

ステップ5:評価項目を決める

求める人材の整理ができたら、そこで終わりではありません。理解・想像するだけではなく評価項目を決めて、評価を確認できるシートなどを作成したうえで共有する必要があります。そうすることで、審査する人が違っても、ズレが生じることがなくなり、厳正な審査が可能になります。主に盛り込む項目としては以下の通りです。

上記をベースにして自社が求めることをさらに細分化して項目に加え、実行・検証・改善を重ねて精度を高めていくと良いでしょう。
評価項目の設定に不安がある方は、厚生労働省が提供する『職業能力評価シート』をご覧ください。職種ごとにシートが分かれているので、自社に合った評価項目を決める参考になる資料です。

コンピテンシーの活用

近年では採用に難を抱えている企業が、『コンピテンシー』を取り入れています。コンピテンシーとは、高い成果を上げている人材にみられる行動特性です。

スキルが高いから良い人材とは限りません。結果を出す人材が「どんな考えで、どのように行動しているのか」を考え、思考や行動パターンを分析して『特性』を見つけることが重要です。コンピテンシーを活用することで、求めることをより具体的にでき、ズレのない評価項目を定めることが可能になります。

例えば、モデル社員を見つけて行動特性を分析して評価項目に反映させる。その結果、単にスキルが高いだけでなく「自社に合った人材」を獲得することが期待できるのです。

コンピテンシーについてさらに詳しく知りたい方は、独立行政法人 情報処理推進機構IT人材育成本部 HRDイニシアティブセンターが掲載する『i コンピテンシディクショナリ解説書』をご覧ください。

一般的な採用基準の例

採用基準は、中途と新卒では違ってきます。実際のデータをもとに紹介すると分かりやすいので、ここでは、就職みらい研究所の『就職活動・採用活動に関する振り返り調査』と、HR総合調査研究所の『中途採用に関するアンケート調査』の資料をもとに、新卒・中途の採用基準で重視する項目の実態を把握しましょう。

【企業が採用基準で重視する項目 (新卒採用)】

(参照:就職活動・採用活動に関する振り返り調査データ集P23『企業が採用基準で重視する項目』

上記のデータは、新卒採用に関する『企業が採用基準で重視する項目』です。

  1. 人柄
  2. 自社/その企業への熱意
  3. 今後の可能性
  4. 性格適性検査の結果
  5. 基礎学力

これらが上位の項目です。

【中途採用(正社員)の選考で重視すること】

中途採用に関するアンケート調査
(参照:HR総合調査研究所の『中途採用に関するアンケート調査』

次にこちらのデータは、『企業が中途採用に求める項目』です。

  1. 職務経験
  2. スキル
  3. 人格
  4. 熱意
  5. 仕事の成果

このように、企業が求める項目が新卒採用とは違うことが分かります。そこで、以下のコンテンツでは、新卒採用と中途採用に分けて、上位の項目が求められる理由について詳しく解説します。

新卒採用の場合の採用基準項目例

ここでは、企業が新卒採用で重視する項目を以下の順で解説します。

  1. 人柄
  2. 熱意
  3. 性格適性検査の結果
  4. 基礎学力

人柄

ひとくくりに人柄と言っても、性格・価値観・対人スキルなどに分類できます。新卒採用で『人柄』を重視する理由は、スキルや経験よりも価値観の共有や社風のマッチングを大切にしているからです。

入社しても「社風に合わない」・「つまらない」・「理想と違う」などの考えが起きてしまうと早期離職につながります。そのため、社風を理解してもらうことや、経験を積むうえでは「やりたくない仕事もこなす」必要があることを理解してもらうことは重要です。

以上の理由から、新卒採用では肯定的な考えを持った人柄を重視します。

熱意

熱意がある求職者は企業のことを調べて就職活動に臨んでいるので、入社してからの自分の仕事内容や将来のビジョンが見えているので、ミスマッチが起こりにくい傾向にあります。

熱意があると前向きに取り組む姿勢があり、仕事への意欲も高いことから、早い成長が望めます。これらは熱意があることが大前提といえます。

性格適性検査の結果

多くの企業が採用基準として適性検査を重視する理由は、見た目や会話からは測ることができない以下のような項目を確認できるからです。

それでは、実際に適性検査がどれくらいの割合で取り入れられているのか見てみましょう。以下の表は、リクルートキャリアが掲載する『就職白書2019』で紹介されている「採用活動におけるプロセス毎の実施率」です。

【採用活動プロセス毎の実施率】

(N=今回/前回)

実施率(%)

従業員規模別

全体

1250/1180

300人未満

345/335

300~999人

436/431

1000~4999人

350/317

5000人以上

119/97

OB・OG訪問の受け入れ

29.1
(-4.3)

20.6
(-3.9)

31.0
(-1.5)

36.3
(-7.2)

26.1
(-9.0)

リクルーターによる接触

38.6
(-0.2)

31.6
(-1.8)

33.7
(0.3)

46.3
(-2.0)

53.8
(4.3)

プレエントリー
(採用情報・
資料の請求)
受付

82.7
(3.7)

64.9
(0.4)

88.5
(7.3)

90.3
(2.9)

90.8
(-2.0)

説明会・セミナー

96.2
(-1.0)

89.9
(-2.7)

98.2
(-0.2)

99.1
(-0.2)

98.3
(-1.7)

書類選考
(エントリーシート、
履歴書、作文等)

86.7
(-1.7)

87.2
(-1.7)

87.6
(-1.0)

84.0
(-4.0)

89.9
(3.3)

適性検査・筆記試験

91.8
(-2.1)

82.9
(-3.4)

94.5
(-2.5)

96.0
(-1.5)

95.8
(-0.1)

面接

99.0
(-0.5)

97.7
(-0.5)

99.5
(-0.5)

99.7
(-0.3)

99.2
(-0.8)

内々定・内定出し

98.1
(-0.5)

94.2
(-1.0)

99.3
(-0.5)

100.0
(ー)

99.2
(-0.8)

(出典:『リクルートキャリア』就職白書2019

上記のデータからも読み取れるように、「適性検査の実施率は91.8%」と非常に高い水準であることが分かります。この結果から、企業は適性検査を採用の基準として重視していることが確認できるでしょう。

基礎学力

基礎学力が高い人材は業務に対しても高い成果を上げることができる傾向にあるといわれています。その理由はさまざまありますが、自己解決能力や応用力に優れているので、効率よく物事を進めることが可能です。

新人の頃は簡単な仕事を任されることが主ですが、成長するに連れて高いレベルのスキルや多用力が求められます。そのような場面でマニュアル通りにしか物事を進めることができないと戦力にはなりません。伸び代を期待するうえで、基礎学力は基準を満たす必要があります。

中途採用の採用基準項目

ここでは、企業が中途採用で重視する項目を以下の順で解説します。

  1. 職務経験
  2. スキル
  3. 人柄
  4. 熱意

職務経験

職務経験を重視する目的は、「即戦力になる経験やスキル」を持ち合わせているかを確認するためです。中途採用は新卒とは違い即戦力が求められます。そのため、人材のスペックを確認する必要があります。具体的には「なにが」・「どの程度できるのか」などです。

例えばウェブ制作の仕事であれば、ウェブデザインの実務経験年数、さらに細分化すると Photoshop や Illustrator など、アプリの使用レベルなど「実務で必要とするスキル」をより明確にすることが重要。もしも求めるスキルやレベルが曖昧な場合は、現場にヒアリングするといった行動が必要です。求める項目をピックアップして5段階評価を加えて、必要なレベルを定めた表を作成するのも良いでしょう。

このように、中途採用では即戦力としてのスペックを持ち合わせているかを確認するために職務経験の確認は重要といえます。また、他社で得たノウハウを十分に発揮できると、お互いに良い結果にもつながるでしょう。

スキル

中途採用ではスキルを確認する手法として『リファレンスチェック』が用いられるケースがあります。リファレンスチェックとは、前職の仕事仲間にスキルや仕事に対する姿勢、性格など、さまざまなことをヒアリングする活動です。

採用側は慎重に採用を行えるというメリットがありますが、スケジュールを立てて面識のない方に協力を依頼する手間があります。また、ヒアリングする方によって情報が異なるケースもあるので、採用側には「信頼できる情報を聞き出す能力」が必要になります。

人柄

中途採用でも『人柄』は重視されます。しかし、新卒のようにポテンシャル採用ではないので、まかせたいポディションに合う人格であるかを判断されるのがポイントです。

例えば、部長職を任せるためには、リーダーシップがある人柄が理想的。このように、どのようなポジションで活躍してもらうかで「求める人格が変化する」のが中途採用の特徴です。

熱意

中途採用の場合、仕事の内容や自己成長よりも給与や福利厚生などにポイントをおいて転職活動を行う方は珍しくありません。

そこで、採用側が重視しているのが熱意です。熱意があると自社への興味・関心があると判断できます。その結果、意欲的に仕事に取り組んでもらえる期待につながるのです。せっかく採用しても「やる気がない」・「興味がない」・「関心がない」では貢献してもらえません。したがって、中途採用の場合、熱意を確認することが重要です。

採用基準の設定をする際のポイント

ここでは、採用基準を設定するポイントを以下の6つの項目に分けて紹介します。「基準がない採用活動に成功はない」といっても過言ではありません。それほど重要なプロセスなので、じっくり確認していきましょう。

経営計画・事業計画を把握してから設定する

企業が生き残りをかけて更なる成長を目指すには、将来の姿を中長期的に描いて計画を立てて実行する必要があります。そのためには、人材確保は必須です。

しかし、経営計画や事業計画を把握したうえで採用基準を決めないと、人材のミスマッチが起きてしまいます。その結果、利益が上げられない状況になることもあるのです。このような状況を打開するには、経営計画・事業計画を把握して「計画に必要な必要な人材」を獲得する必要があります。

現場の声を必ず取り入れる

採用する人材を経営層だけで決めてしまうと、「現場では輝けない人員」を採用してしまうことになります。なぜなら、現場が求めている人物像ではないので、貢献できないからです。

将来は現場のリーダーとして活躍を望んでいたが、人格を兼ね添えていない。その結果、中核を担う人材がいなくなる。または、早期離職してしまい、人手不足から経営が回らない。など、結果的に最悪の事態も招いてしまいます。このような事態を回避するには、配属先の意見をしっかりヒアリングして採用基準に反映することです。

など、採用後に一番密になる現場から意見を吸い上げえることが重要。現場の声を取り入れることは、ミスマッチ・早期離職・経営の悪化を防止することにつながります。

世間的な「良い人材」に惑わされない

良い人材とはスキルや能力が高いことではありません。能力がいくら高くても行動・思考が乏しいと、能力をうまく発揮することはできないからです。

例えば学力や資格のスキルは高くても、コミュニケーション能力に欠けるためプロジェクトがうまく進まない、などの事態が想定されます。そこで、良い人材を見抜くには、以下の項目にポイントをおきましょう。

「良い人材」とは「スキルが高い人材」ではなく、「自社が求める人物像」にマッチした人材です。世間的に良いと言われる人材であっても、自社に合わなければ意味がない。徹底的に「自社で輝ける人材」を描いた採用基準の確立が大切です。

求職者の差別になる基準は設定しない

求職者の差別につながる採用基準は設定してはいけません。しかし、「差別をしてはいけない」ということは分かっていても「採用での差別」と考えると疑問が浮かぶのではないでしょうか。そこで、厚生労働省が提示する『公正な採用選考の基本』と、『男女均等な採用選考ルール』の資料をもとに求職者への差別について確認しましょう。

採用選考の基本的な考え方として、以下2点の配慮が必要とされています。

  1. 応募者の基本的人権を尊重すること
  2. 応募者の適性・能力に基づいて行うこと

さらに、採用選考時に配慮すべき事項として、以下3点に注意が必要です。

  1. 本人に責任のない事項の把握
  2. 本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握
  3. 採用選考の方法

これらは、家族に関することや宗教に関することなどの質問・身元調査の実施が差別にあたるということを述べています。

【不適切な採用の実態】

採用選考の実態調査
(参照:厚生労働省『公正な採用選考の基本』

令和2年度の不正な選考の実態調査では、家族に関する質問が46.9%と多いことが分かります。

差別に関しては、採用活動における以下のようなプロセスに実は潜んでいるのです。自信がない方は、『男女均等な採用選考ルール』を確認することをおすすめします。

あなたは選考の際に『家族の職業・学歴・続柄』などについて質問したことはありませんか。もしかすると、不適切な選考に該当するかもしれません。

不適切な選考や差別は、悪意がなくても不適切です。人を傷つけてしまい、自社の信用もなくしてしまいます。採用側は必要に応じて教育やセミナーを行って、理解したうえで採用活動に臨みましょう。

新卒採用と中途採用の基準の違いを明確にする

採用の対象メリットデメリット
新卒採用・他の企業を経験していないので自社の風土に順応しやすい
 
・将来の幹部候補として成長が望める
・即戦力としては期待できない
 
・教育に時間がかかる
 
・定着率が読めない
中途採用・即戦力として期待できる
 
・社会経験があるので教育コストが削減できる
・他の企業での経験があるがゆえに自社の風土に染まりにくい
 
・年齢やスキルに応じて賃金を高く設定しなければいけない場合がある

採用する目的によって新卒採用と中途採用のどちらの採用が適切なのかは違ってきます。どちらにもメリット・デメリットがあるので、しっかりと把握したうえで基準を定める必要があります。

少し大げさな例になりますが、即戦力を期待して新卒を採用したのに期待はずれだった場合、それは本人の努力不足ではなく、採用側の理解不足です。そのようなことが起きないためにも新卒採用と中途採用の基準の違いを明確することは重要といえます。

毎年見直しをする

採用基準の精度を高めるためには毎年、『PDCAサイクル』を回す必要があります。PDCAとは以下の4つのアクションを意味します。

これらの頭文字をとってPDCAと呼び、仕事以外でも教育やアスリートの目標達成の手段として愛用されている手法です。『P:計画を立てる』→『D:実際に行動に移す』→『C:結果を見て目標に対しての評価を行う』→『A:問題点を改善して次に活かす』これらがPDCAサイクルのおおまかな流れになります。

PDCAを採用基準に利用すると基準のズレを少なくでき、精度を上げることが可能です。

【採用におけるPDCAの活用例】

タイミングCHECK(評価結果)問題点ACTION(改善案)
面接官によって通過率にばらつきがある採用基準が明確になっていない能力評価シートなどを作成して審査に個人差が出ない工夫をおこなう
面接通過率が異常に少ない採用基準が厳しすぎる可能性がある求める人材やスキルに見合った審査項目を定める必要がある
人事や経営層と現場の求める人物像が一致していない現場の意見が採用に反映されていない現場の意見を反映させる。必要に応じてヒアリングシートなどを作成する

それでは、採用活動では実際にどのようなタイミングで活用できるか、以下の3つのケースで確認してみましょう。

  1. 面接官によって通過率のばらつきがある場合
  2. 面接通過率が異常に少ない場合
  3. 事や経営層と現場の求める人物像が一致していない場合

見直しのタイミング①面接官によって通過率のばらつきがある場合

面接官によって通過率にばらつきがある原因としては、「採用基準が明確になっていない」ことが考えられます。改善するには、採用基準に個人差が出ない仕組み作りが必要です。『職業能力評価シート』などを活用して、個人の直観ではなく、「定めた項目と評価基準」をもとに採用基準に個人差をなくす必要があります。

見直しのタイミング②面接通過率が異常に少ない場合

面接の通過率が異常に少ない場合、「採用基準が厳しすぎてはいないか」今一度確認しましょう。採用基準が厳しければ優秀な人材が集まるというわけではありません。

改善案としては、求める人材を明確にして、該当する人材を見極めるために必要な「適切な審査項目」を定める必要があります。良い人材とはスキルが高い人材ではなく、自社が求める人物像にマッチした人材です。

見直しのタイミング③人事や経営層と現場の求める人物像が一致していない場合

人事や経営層と現場の求める人物像が一致していない場合は、「現場の意見が採用に反映されていない」ことで、現場・人事・経営幹部の間でミスマッチが起きています。

改善案としては、現場の意見を反映させる。必要に応じて『ヒアリングシート』などを作成すると良いでしょう。

採用基準についてのまとめ

ここまで、採用基準について「採用基準の重要性」・「採用基準の設定ステップ」・「採用基準を設定する際のポイント」などについて紹介してきました。

【採用基準の必要性】

【採用基準を定める際のポイント】

採用活動の成功は、利益を上げられること。失敗は、利益を上げられないこと。さらに大失敗は、損失が発生してしまうことです。

採用基準を直観や感覚にたよってしまうと「ミスマッチ」を起こしてしまい、大失敗につながります。採用する理由・自社が求める人物像などを明確にして「正しい採用基準」を定めて採用活動を成功へと導きましょう。

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